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OUR PRODUCTS 低速4サイクルエンジンを知る

低速4サイクルエンジンって何?

低速4サイクルエンジンとは?

4サイクルエンジンとは、ピストンが2回上下(2往復)する間に燃料が1回燃焼するエンジンです。そのピストンはプロペラを回すためのクランク軸に繋がり、ピストンの上下運動がクランク軸の回転運動に変換されることで燃焼の力がプロペラに伝達されます。クランク軸の回転数が機関回転数として定義され、その回転数が1分間に400回転以下のエンジンを低速エンジンと呼んでいます。中速では400~1,000回転、高速では1,000回転以上と分類されます。内航船※1に採用される出力範囲;735kW(1,000馬力)から3,300kW(4,500馬力)まででは低速・中速の4サイクルエンジン、レジャーボート用船外機などに採用される小型出力機関では高速の4サイクルエンジンが存在します。

  1. 内航船とは国内の港から港まで貨物等を運ぶ船のことをいいます。

自動車エンジンは、1分間に4,000回転程度。
一方、低速4サイクルエンジンは、1分間に400回転以下ととてもゆっくり動くエンジンです。

2サイクルエンジンと比較すると?

一方、2サイクルエンジンはピストンが1回上下(1往復)する間に1回燃焼するエンジンとなります。このため、4サイクルエンジンよりも燃焼の頻度が高く仕事の効率が高くなるので、小型軽量という利点を有しますが、吸気行程と排気行程が同時に行われるため燃料の燃焼が不安定になります。
4サイクルエンジンは、その点、空気と排気ガスをきちんと交換できるため燃料を完全に安定して燃焼することができ、燃料の利用効率が高まるとともに、エンジンをかけ、出港し、航路に入り、エンジンの回転数を上げていく低負荷(低回転)から高負荷(高回転)まで安定して燃焼できることから、国内の短距離を頻繁に発進・停止・加速・減速しながら運航される内航船のような船舶には最適な設計となっています。逆に、長距離を定速で運航する大型外航船のエンジンは出力が高くとれる2サイクルエンジンが主流となっています。

4サイクル
エンジン
4サイクルエンジン
2サイクル
エンジン
2サイクルエンジン
吸気行程
吸気行程
排気行程
排気行程

短距離を頻繁に発進・停止・加速・減速しながら運航される内航船では、低速4サイクルエンジンが最適。長距離定速で運行する外航船では2サイクルエンジンが主流。

低速エンジンは何がいいの?

低速エンジンは、上述のように回転数が低いエンジンですが、そのメリットは少ない燃料でプロペラを水の中で回し続けることができるところにあります。一般的に船舶は大きなプロペラをゆっくり回すほど推進効率が高まり燃費が良くなります。中速・高速のエンジンは機関回転数が高いので、回転数を落としてプロペラに伝える減速機という装置を別途設置する必要があり、その分、コストアップになり、効率も低下します。低速エンジンは1回の燃焼による出力が大きいため頑丈につくる必要があり、コストアップにはなりますが、低速回転なので部品の摩耗が中速エンジンや高速エンジンと比べて少ないことから製品全体として長期間にわたり使用可能なエンジンです。

部品点数が少なく、頑丈なつくりの低速エンジンは、コストやメンテナンス性で大きなメリットがあります。

つまり?

当社の低速4サイクルエンジンは、ゆっくり燃料を燃やすことで1回の燃焼で出力を最大限まで活用できる燃費の良いエンジンであり、高効率で耐久性の高い、信頼性に優れた内航船用に専用設計された日本にしかない独自のエンジンとなっています。また、内航船用の主機関の市場は年間100台程度で、そのうちの約半分を当社のエンジンが占めています。

内航船主機関の国内市場の
約半分は当社のエンジン!

主な搭載実績

第十一宝生丸
船名
第十一宝生丸
建造造船所
株式会社三浦造船所
船種
黒油タンカー
主機関
LA28G
新豊鐵
船名
新豊鐵
建造造船所
山中造船株式会社
船種
貨物船
主機関
LH41LG
ながら
船名
ながら
建造造船所
旭洋造船株式会社
船種
内航コンテナ専用船
主機関
6S35ME-B9.5
海風
船名
海風
建造造船所
山中造船株式会社
船種
コンテナ船
主機関
8L35MC6