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メタノール燃料エンジン

高い信頼性を得ている現有の低速4サイクルディーゼルエンジンと基本構造は同じとし、メタノールを主燃料、A重油をパイロット燃料とした直接噴射式のメタノール専焼ディーゼルエンジン。重油に比べると燃焼温度が低いためNOxの生成が少なく、すす(PM)や硫黄酸化物も少ない環境に優しいエンジン。

メタノール燃料エンジン

特長

特長

実績のある低速4サイクルディーゼル機関をベースにメタノールを主燃料、A重油をパイロット燃料としたメタノール専焼エンジン。
燃焼噴射系以外は従来機関と同じ構造であり、信頼性、耐久性はそのまま引き継いでおります。

専焼エンジンではあるが、メタノール供給遮断時でもパイロット燃料(A重油)のみで船級が定める航海可能な速力で航行可能であり、冗長性を確保しております。

特長

機関始動から低負荷まではA重油のみで運転し、一定負荷以上はメタノールを噴射して負荷上昇させます。このときパイロット燃料は一定量の噴射となります。

特長
特長

シリンダカバーにメタノール用主燃料噴射弁とパイロット用燃料噴射弁を、カム室にメタノール用主燃料噴射ポンプとパイロット用燃料噴射ポンプをそれぞれ配置し、カム軸により駆動しています。

特長

メタノール及びパイロット燃料の噴射は、実績のある油圧ガバナで制御しています。

メタノール供給系の異常発生時や燃焼不良発生時には、メタノールを遮断し、A重油運転(40%負荷)に移行します。

特長

常時シリンダ内圧力を監視することにより、失火等の異常燃焼発生時にメタノール遮断し、A重油運転に切り換えられるようにしています。

メタノール燃料について

メタノールは現在の主たる舶用燃料である重油と比較し、メタノール燃焼時の硫黄酸化物(SOx)排出量を最大99%、すす(PM)排出量を最大95%、窒素酸化物(NOx)を最大80%、二酸化炭素(CO2)を最大15%削減できる環境に優しい燃料。また常温常圧で液体あるため、貯蔵・取り扱いが比較的容易であります。

開発経緯

メタノール燃料エンジンとしては、クリーンエネルギー可能性調査の一環として1988年に「メタノール機関普及委員会」枠組みで官、関係企業、有識者が集まりプロジェクトが発足。当時の主力機関LH28をベースとしたLH28Mを開発をし、試験運転を行ったが出荷には至らなかった。以降、日の目を見ることはなかったが、昨今の環境意識の向上、GHG排出削減によりメタノールが燃料として注目を集めることとなり、当時の技術を踏襲しつつ、現在のルールに適合したメタノール燃料炊きエンジンを開発する運びになりました。

開発時に苦労したところ

メタノール燃料エンジンとしてはLH28Mを30年以上前に開発しましたが、当時を知る技術者は退職しており、過去の資料を基に一から復刻する形となったため、経験のないメタノール対応技術に戸惑うこともありました。
また当時はまだ船舶にはメタノールに関する規則がなく、当時設計したLH28Mでは現在の船舶規則に適合していません。そこで規則適合のため船級と何度もやり取り、設計変更を繰り返し対応しましたが、これが最も労力を要し苦労しました。

メタノール燃料エンジン紹介動画

要目表

低速4サイクルメタノール燃料エンジン

呼称 シリンダ数 出力(kW) 回転速度(min-1) シリンダ内径(mm) 行程(mm)
LA28M 6 1,103 330 280 590

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